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(有)森田 建具
鹿児島県奄美市名瀬長浜町13-12
TEL 0997-53-3684
FAX 0997-53-3260
MAIL moritatategu@po3.synapse.ne.jp
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2015年11月14日

紬を使う その③

 紬を使う その③です。

 紬を使いパッチワークで作った束ね熨斗の額装です。



熨斗は、鮑の肉を薄く剥いで引き伸ばし、紙の間に挟んで祝儀の進物や引き出物に添えたのが始まり。
それを細長い帯状に文様化したのが熨斗文で、多くは数本を束ねた束ね熨斗として表されます。
いわゆる吉祥文様です。


紬による束ね熨斗のアップ。ダイナミックな曲線を大島紬で。


左上部には組子を配置。束ね熨斗を邪魔しないように、控えめに。亀甲と組子。


 これはお客様からの注文ですが能面の額装。


この能面は深井(ふかい)と呼ばれているそうです。

昔は 深、深女と書き「ふかいおんな」とよび中年の女性を表わす。えくぼ状のあさい皺があり、口元も増女ににています。目は少し伏目がち、子を失った母親などにふさわしい女面と言われている。
観世流十五代の大夫元章はこの面を「不可意」ともよび人生の深さを知った面とも、その由来を述べています。



 お客様自ら製作した白い大島紬の網代パッチワークを使い、さらに組子を使って
能面を額装してほしいとのことでした。この能面の意味を知って、包容力のある柔らかさのようなものを
表現できたらと思い曲げの技法を使いました。

 曲げの技法は組子の長さ、角度、切込みのピッチ、切込みの深さ、切込みの回数と
たくさんのポイントがあり合わせるのに苦労しました。

 なんとか満足のいく形になり、お客様にも喜んでいただきましたー!
 
大島紬を使うということは、たくさんの職人さんがかかわりながら長い月日をかけて生み出された紬を
気持ちと共に受け継いで作るということ。紬の良さを、組子の良さを引き出していいものを作りたい!

 組子、木工の技術もまだまだひよっこ。ただただ一歩づつでも高みを目指し上っていきたいと思います!!



  

Posted by 組子職人  at 10:00Comments(0)組子

2015年11月13日

紬を使う その②

 紬を使う その②です。

照明に使用してみました。組子と紬・・・。かっ、かなり合います!!



幅奥行は45cm×45cm、高さ90cm。大型施設のホール、ロビーに置くことを想定した試作です。



上部は照明の熱気を逃がすためシンプルな組子。漆、神代欅、シャム柿、たぶで色分け。



組子は麻の葉、曲げの麻の葉、ゴマガラなど。組子の厚みは1mm。繊細に。紬は龍郷柄。



下部は厚く、重厚感、安定感を持たせたつくりに。

 試作した結果、かなりいい感じです。

しかし照明という観点からいくと紬があまり光を通さない・・・。
暗いところで照明をつけると完全に紬がしんでしまう。
大型施設の常に明るい場所での使用は問題ないと思いますが。

 さらに紬の劣化で取り外して貼りかえる必要があることを考えると、いまいち納まらない。

そこをクリアしてなんとか商品化したい!!試作の日々は続きそうです。











  

Posted by 組子職人  at 15:50Comments(0)組子

2015年11月10日

大島紬を使う その①

 最近、大島紬を使った組子製品の試作開発をしております。

 大島紬はとてもたくさんの工程を経て製品になります。

 端切れといえども大島紬。たくさんの職人さんがかかわりながら長い月日をかけて生み出された紬です。

組子製品もたくさんの工程を経て作り出されるので手間をかけて作る大切さが分かります。


並べてみた所。


組子側。アクリルを入れています。


大島紬側。型紙に中綿を入れています。



挽き込み接ぎという手法です。意匠とともに強度も増します。
檜の本体に上からテンポナシ、ホウ、神代杉です。
今から鉋で仕上げます。



組子側は夏に冷酒などを飲むときなどに。



紬側は熱燗などのコースターとして。
厚みが2cmほどありますがお猪口を置くときに手首をあまり動かさなくていいので楽です。



コースターとして使わないときは立てて飾ることができます。

まだ試作段階ですけどね。

その➁、その③もありますのでお楽しみに。

  

Posted by 組子職人  at 17:17Comments(0)組子

2015年10月24日

中目黒 KAPUKI

 ちょうど一年半前くらいに東京の腰塚さんという方からお電話をいただきました。

いろいろお話を伺ったところ、今から着物のセレクトショップを始めたいので

蛍光灯の照明カバーを製作してほしいとの依頼でした。

 ご自身でインターネットで組子を検索しいろんな組子を見た結果、

森田建具の製作した組子が一番気に入ったので、是非製作してほしいとのことでした。


腰塚さんの本業はフォトグラファー
以下プロフィール。

腰塚光晃 Mitsuaki Koshizuka

1969年生まれ。プランナー、レーシングドライバー、編集者、スタジオアシスタントを経て、
1997年写真家として活動を始める。
2004年MORE VISION tokyo 設立。ファッション、CDジャケット、広告など幅広いジャンルで活躍。
スタイルにとらわれないエッジ感のある、常に新しい魅力をともなったその写真達は、確かなテクニックから生み出されつつ、どこか人間味のあるやさしさやユーモアを感じさせてくれる。

広告:資生堂、NIKE、AMERICAN EXPRESS、読売新聞、docomo、IPSA Artist:東京事変、Perfume、サザンオールスターズ、BONNIE PINK、SPITZ 雑誌:音楽と人、VOGUE NIPPON、Numero TOKYO他。


腰塚さんは着物にも造詣が深く、着物ブランドElly & ObyのCREATIVE DIRECTORでもあります。

照明カバーなのであまり暗くならないように、そしてそのスペースで自分のカラーを出すように考えて製作しました。
なによりも、自分がデザインし、製作した照明カバーが気に入ってもらえるのだろうかというのが一番気がかりでした。

組子照明カバー



出来上がり、写真を送付したところ、「すごい!!! 最高にかっこいい!
森田さんにお願いして本当に良かったです。」とのうれしいお言葉をいただきました。

組子の照明カバーが到着した後には

「森田さん 本日組子届きました。私どものお店のために素晴らしい仕事をして下さり心より感謝致します。
箱を開けて取り出したとき、感動で胸がいっぱいになりました。本当にありがとうございます。」

とさらにうれしいお言葉をいただきこちらも嬉しくなりました。

腰塚さんに気に入っていただけて、また「KAPUKI」のオープンに携われて本当に良かったです。





Kapuki ホームページ   http://www.kapuki.jp
  

Posted by 組子職人  at 14:29Comments(0)組子

2015年10月23日

久々のブログ更新

久々のブログ更新になります。

最後の記事から3年も経っているなんて。

2012年に全国大会に出品した後に燃え尽き症候群になってしまいました。

あまりにも細かい部材で、長期にわたる作品製作を行ってしまった結果

あまり組子の部材を見たくないという事態に陥ってしまいました・・・。

1年くらいでその状態は抜け出せたので今は大丈夫です!


去年の夏に同級生の経営するお店

焼酎Dining SAKE工房 心に組子照明を納入しました!



 たくさんの柄を木の種類を変えて帯状に組み分けました。

 組子を円形に切り抜くという自分にとっては初めてのチャレンジでしたが中々うまくいったと思います。
川口さんご教授ありがとうございました!




 明かりをつけてみると木の色の違いは全く分からなくなりましたが、柄の密度の変化が
狙った通りボーダー状に陰影をつけています。

 焼酎Dining SAKE工房 心 平日、土日関係なくいつ行ってもカウンターまで満席。
予約しないと入れないお店です。お酒も美味いし、料理も旨い!

 照明を納入してからたくさんの人から「すごくかっこいい」「素敵!」などたくさんの反響をいただいております!





  

Posted by 組子職人  at 12:03Comments(0)組子

2011年11月17日

0.8mmに挑戦

少し時間があったので挑戦してみました。

厚み0.8mm、切り込みのピッチ16mmです。

1/100まで測定できるデジタルノギスを使って厚みを計ると幅9mmの

端っこと端っこで0.02mmの誤差がありました。

2mmの0.02ならそれほど気にしなくてもいいと思いますけど、

0.8mmの0.02だと結構な誤差になります。

0.02mmをどう調整するかが課題となりそうです。

切込みを入れるときもその誤差が響いてきて長くなればなるほど精度が落ちてきます。

そして切り込みの間隔がせまいとバチッと材料が飛びます。

今年の全国建具展示会で最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した

川口さんが0.6mmの作品を作った時のお話しを聞かせてもらっていたのですが

0.8mmでも思っていた以上に難しそうです・・・。

  

Posted by 組子職人  at 15:16Comments(3)組子

2011年11月04日

エコリフォーム祭り

一ヶ月更新をさぼってしまいました。

自分でDREAMWEAVERとFIREWORKSというソフトを使ってホームページを製作していました。

まだ完成ではないですけど・・・。http://www3.synapse.ne.jp/moritatategu/

(有)オオヤマさんの呼びかけで10/22にエコリフォーム祭りを開催しました。

参加企業は以下の通りです。

(有)オオヤマさん(有)奄美通商さん(有)エコサポート奄美さん富士ゼロックス鹿児島(株)

PecoraさんSTRIKESTOREさん

準備段階で何度も打ち合わせをして、この展示会の方向性から各ブースの配置や

広告の出し方、チラシのポスティングまで本当にたくさんのことを決めていきました。

異業種の業者さんの商品の見せ方や売り方、ディスプレイの仕方などとても勉強になりました。

日程の関係で土曜日の1日のみの開催でしたがたくさんのお客様に来場していただきました。

(有)森田建具は全国建具展示会の入賞作品である。「七福神」と「書院障子」を展示、そして

組子の作り方を説明したり、実際に葉鉋や小口台を使って製作する実演、そして

組子のコースター作りを無料で30組の方に体験してもらいました。


組子コースター作りは主に子供さんを優先にやっていただきました。
何人かは、「また作らせてー」と戻ってきた子もいました。


大人の方も作り終わって「結構面白いね!はまりそう。」といってもらいました。


この写真の真ん中の女の子がコースター体験の後、実演用の組子を一時間くらいいじってました。凄い集中力。
その後も照明を食い入るように見てました。未来の組子職人の予感がしたので実演で作った小さい組子のセットを
あげました。嬉しそうな顔がとても印象的でした。

初めての実演も緊張しましたが、うまくいったと思います。次回はもっとよく出来るようにがんばります。








  

Posted by 組子職人  at 11:54Comments(0)組子

2011年06月14日

久々のブログ更新です。

ブログを楽しみにしてくれているみなさんお久しぶりです。
久々にブログ更新します。

1月の中ごろに某会長宅の組子製作も無事に終わりました。
会長には大変喜んでいただいてとても嬉しかったです。
写真の掲載の許可をいただいていないので写真の掲載は控えたいと思います。





といいつつ、取り付け前ならいいかなと。H1900×W1200の三本とW900の二本立てです。
本当は片面透明で片面ワーロンだったのですが会長の一声で両面透明にすることに・・・。
裏もきれいに仕上げていたので大丈夫でしたけど。

数々の現場の建具・家具製作をこなしながら、静岡大会で最高賞の内閣総理大臣賞を
受賞した福島県のカナザワ建具の金澤良一さんの紹介で建具専用の見積もりソフト
NKシステムの【建太郎】の導入でひたすら情報入力の日々。

3月には大震災。福島県のカナザワ建具店の金澤良一さんと千葉の嶋野木工所の
嶋野浩司さん、これからの建具業界を引っ張っていくであろう二人とご家族の安否が確認でき安心しました。本当に無事で何よりです。

4月上旬に全国展に出品することを決め製作に着手。
欄間付き書院障子を製作することに。
見つけ(材料の厚み)は1.2mmで切り込みのピッチは19mm
去年の作品は見付け1.8mmで切り込みのピッチは24mmでした。
前回の作品よりも材料は細く、ピッチは狭いです。書院ということもあり
作品全体の大きさが小さいですが。約17mmの正三角形の中に
たくさんの種類の組子を組分けました。
しかし・・・・2ヶ月で作れると思っていたのが間違いでした・・・・・

普段の仕事が忙しくなり始め
ゴールデンウィークも休んだのは5月8日の一日だけ・・・。
他の職人さんに普段の仕事をまかせっきりで
自分は組子製作に打ち込ませてもらいました。
去年自分で考えた「光麻の葉」を地組みに切り込みを入れて繋ぎ
「光麻の葉つなぎ」で縁取り4枚と欄間の一体感を持たせました。



6月1日から書院の腰(下のほう)の組子を作り始める。
腰には同じ19mmピッチでの卍の組子。何故時間のない中こんな組子を
選んでしまったのか・・・。自分でも不思議です。できなくても莢形崩しに逃げれると・・・。
日々締め切りのプレッシャーと難しい仕事に追い込まれて苦しくなりました・・・・。
最後の2週間は地獄でした。手のかかる子供を嫁にまかせっきりにし
工場のある実家に泊り込みで夜2時まで朝は5時半におきそのまま工場に直行・・・。
昼ごはんも食べたらすぐに仕事・・・。家族のみんなができることをやってくれました。
親父に本体と展示枠を製作してもらい、11日に出荷しないと間に合わないと最後通告を受け
前の晩は夜中の3時まで・・・。親父も付き合ってくれました。ひたすら組子と格闘の日々・・・・。
出荷の一時間前まで製作していました。きにいらないところがあっても
突っ走るしか道がなかった。時間があればもっときれいで満足のいく仕事ができたはず・・・・。後悔ばかりです・・・・。この歳になってこんなことで涙がでるとは・・・・。

結局、自分の未熟さと家族のあたたかさを再認識しました。家族の支えがなかったら完成どころか
締め切りのプレッシャーと難しい仕事に追い込まれて心が折れてしまっていたでしょう。
実際、何度も折れました・・・。そんな時、福島県のカナザワ建具店の金澤良一さんのブログ
建具伝記~画竜点睛への道のり~
にやる気を頂いていました。震災にあいながらももの凄い精神力と前向きさからでてくる言葉に
励まされました。本当にありがとうございました。

今月の17日から岐阜県で全国建具展示会が行われます。
どんな結果になろうとも未熟な自分の実力だと受け止めたいと思います。
また来年に向けて頑張るのみです!!



ブログもできる限り更新がんばります!!  

Posted by 組子職人  at 10:14Comments(2)組子

2010年12月24日

組子製作中

世間はクリスマスイブで楽しそうですが

まだ仕事をしている組子職人です。

年内完成はギリギリといったところです。






トナカイの長男、次男、長女の写メが送られてきました。

元気がでました。まだ頑張れそうです。

ありがとう、嫁。

来年こそは家族でクリスマス!!!



  

Posted by 組子職人  at 21:21Comments(2)組子

2010年11月17日

切り込み

組子のパーツの切り込みです。

約2000本に切り込みをいれました。

この部材が約20000本必要なので

まだ1/10しか加工できてないです。

組子職人は根気が必要‼まだやるぞ‼



約2000本の部材。



三本一組です。20000本を同じ様に正確に加工します。  

Posted by 組子職人  at 20:53Comments(0)組子